中学1年生のときです。ですから随分と
前のことですが、今でも良く覚えている
ことがあります。
初めての理科の授業で、関先生は(確か
関先生だったと思うのです。お顔は
ハッキリと思い出せるのですが)
「各自持っている理科の教科書は脇に
おいて、これから配る本を元にこれから
授業をして行きます」と言うと、
みなさん良くご存知の(いやあキンドル
では読んでも本は手に取らないかも)
灰色の表紙の岩波新書をバサッ、バサッと
一番前の列の生徒の机の上において
「後ろに配ってください。これからの
授業はこの『ろうそくの科学』に沿って
学んでいきます」と仰った。
関先生は当時33歳くらいの謂わば俊英と
言っていいタイプの先生で、髭が濃く、
彫が深く、白衣を着ていらっしゃって
カッコ良かった。しかも、初めての
授業から、教科書を放り出して、岩波
新書を配るなんて! カッコ良すぎる
と思いました。
「『ろうそくの科学』にはこう書かれて
います。
この宇宙をまんべんなく支配するもろもろ
の法則のうちで、ロウソクが見せてくれる
現象にかかわりを持たないものは一つも
ないといってよくくらいです。
ファラデーはこう言っています。
ですから私たちは科学的なものの見方、
センスを身に付けるために、この本を
もとに学んで行くことにします」
クリスマスの頃になると、この理科の
最初の授業を思い出すのです。
ロンドンの貧しい鍛冶屋の息子として
生まれたファラデーは、苦労して独学
で学び、若くして英国王立研究所の
助手に抜擢され、それから多くの功績を
積み上げていきます。
鍛冶屋に生まれ、製本屋へ丁稚奉公に出され
ほとんど無給の状態で働いていたのですが、
向学心に燃えるファラデーは製本仕掛けの
本を読むことがやめられませんでした。
そこの主人はファラデーが本を読むことを
許し、屋根裏部屋で化学の実験をすること
すら認めました。
そしてある日、彼は街角である科学セミナー
があることを知り、兄からもお金を借りて
そこに参加したのです。
自らの若いころを思い出し、彼は
最先端の科学者にも、そして科学の
心を求める若者にも等しく科学的な
ものの見方を伝えるために、クリスマス
講義なるものを始めます。
英国王立研究所によるクリスマスの特別講義は
1826年から190年以上も続いているそうで、
今年も開催されます。
そのころは関先生の影響を受け、
いつかは宇宙物理学者になりたいと
思っていましたが、いつしか興味は
ビートルズに移り、
『太陽がいっぱい』を観て、フランスに傾倒し、
(アラン・ドロンがイタリア人とも知らずに)
ヒッピーを気取り、髪を伸ばし、髭をたくわえ、
バックパックを背負ってヨーロッパを旅し、
。。。
そして今は、
人が幸せになるスピーカーを作って
います。
科学的なものの見方は残念ながら
身についているとは思えませんが、
ファラデーが「伝えたい」と思う
情熱はいまは分かる気がします。
関先生、許してくださいますかね。
何かを与えたい、人に何かを贈りたい
それが科学の心であれ、小さなケーキ
であれ、一枚のカードあれ、そこからは
ほのかな灯とぬくもりが感じられます。
素敵なクリスマスをお過ごしください。
メリークリスマス!
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