
2025/10/4
研子さんのお話を聞いてきた。
36回目のアマゾン行きを果たし、まだ帰国したばかりの南研子さんは、喉をやられていて、少し喋りにくそうだった。
レインフォレスト・ジャパン(熱帯森林保護団体)の代表である研子さんと会ったのは1999年だった。
https://mssystem.co.jp/company/social_contributions
1989年、スティング(あのロックシンガー)とラオーニ(今はすでに100歳近いカヤポ族の酋長)がアマゾンの森の消失に警鐘を鳴らし、ワールドツアーで日本を訪れた時、成田空港に迎えに行って、滞在中のお世話をすることになった研子さんはその後、レインフォレストの日本支部を作り、以来、36回、2000日以上をアマゾンで過ごすことになる。
高邁な志があったわけではなく、行きがかり上、そんなことになってしまったと笑う。
差し入れをしたおにぎりを美味しそうに食べるラオーニに、「森を守ってくれ」と頼まれたという。
森林火災は世界中で起きているし、昔から、乾燥期の森は燃えやすい。
日本から一番遠い土地のアマゾンの火災は、私たちの日々の暮らしにそれほど関わっているわけでもないだろうと思ってしまいがちだが、グローバル化が進んでしまった現代においては、むしろその火は日本に直結しているとも言える。
35回のアマゾン入りも、過酷ではあったが、それでも「なんとかなる」という(5日間もアマゾンの支流を漂流し、死を覚悟した時でさえ)思いが湧いて来たものだが、今年のアマゾンでは、「人類の終末」を感じたという。
水を汲みにいかなければならない女性の歩く道の両側で、森が燃えている写真があったが、それは楽園のような緑豊かなアマゾンの地獄絵のようだった。
気づきに遅過ぎることはない。
その瞬間から何かが変わるはずだ。
変えることができるはずだ。
目、耳、鼻、口から森が焼けた灰が入り、喉から肺にかけて、その灰がへばりついているので、喋りにくい、と研子さんは言った。
36度目にして、「もう無理か」との思いにかられたが、どんな時でも「希望」だけはあると研子さんは言い、講演会の終了後、挨拶をすると「何か美味しいもの食べさせて」と笑った。
*写真は「夜明けをまつどうぶつたち」という絵本の表紙で、アマゾンの森林火災に心を痛めた作者が、動物たちの祈りと、森林保護に取り組む人々に敬意を表すために描かれた。
他にもお知らせがございます
よろしければご覧ください