スピーカーが生まれてから約150年。
地球上の音の中で、ある方向に向かう音、
が生まれました。
それまでの音は、自然の音も、人の声も
生の楽器が奏でる音も、全て波動を持って
宇宙に向かって均等に、広がって行きました。
人の声は前に向かって出ているように思い
ますが、「お腹から声を出すように」という
専門家のアドヴァイスは比喩的なものでは
なく、実際に声が発生した地点から360度、
真円というよりも真球体となって音の波は
広がっているので、お腹に向かう声の要素
も多いのです。
その響き全体が「声」となって聞こえている
のです。
ヴァイオリンも同様で、弦と弓が擦れた
場所から音が発生しているのですが、それは
ヴァイオリン本体の中にも入り込み(弦の
左右に空いているS字孔から)ボディ自体も
鳴っているわけです。
ですから自然の音、波や風や葉々のそよぎも、
人の声も、生の楽器の音も全て、どこかに
向かうわけではなく宇宙全体に広がって
いるのです。
スピーカーだけがある方向に向かって音が
進むので、これを「指向性のある音」と
呼んでいます。
音が再生できること自体、素晴らしい科学の
進化ですので、指向性を持っていることに
それほどの違和感や嫌悪感を抱かず、私たちは
その人工の音を受け入れてきました。
さらに立体的な、自然な音を求めたことから
画期的なシステム「ステレオ」が発明されました。
2つの方向からやってくる指向性のある音が
両耳の聴覚に届いてそれを感覚センサーが
認識する際に、ヒトの体は概ね左右対称に
できていますが、厳密にいうと、左右は少し
ずつズレています。音の波を認識する神経系統
の長さも微妙にその長さが左右で違います。
そのズレを私たちは「立体的」と解釈します。
立体的な自然な音がやってくるのではなくて、
そのズレを立体的だと勘違いするわけです。
目も耳も、ヒトのセンサーはうまく騙されたり、
勘違いしたり、勝手に補正したり、色々と自動
制御を働かせるようにできています。
いずれにしてもステレオが発明されて、2つの
スピーカーに向かいあってその真ん中で聞くと
立体的に聞こえるというシステムが開発され
ました。これは素晴らしい発明ではありますが、
他にやりようのない止むを得ないシステムでも
あります。それがすでに80年以上続いています。
2つのスピーカーに向き合い、指向性のある音を
うまく受け止める場所を「聴くべき場所」と
してリスニングポジションなどと呼び習わし
ています。
確かにステレオが発明された当初はスピーカーの
前に座ってレコード1枚表裏40分くらい、じっと
座って音楽を聴くという行為も成立していましたが、
今ではほとんどありえない光景となってしまいました。
もちろんそういう素敵な趣味の時間と空間をお持ちの
方もまだいらっしゃるとは思いますが、極少数派だと
思います。
現代の私たちの生活スタイルからすれば、
何か他のことをしながら音楽をかけ流して置く、
美味しい食事をする時に、うまいお酒を楽しむ
ために、それこそ趣味に没頭するときのBGMに
音楽をかけることの方が圧倒的に多いと思います。
リスニングポジションに座って音楽を聴く、
という行為はもはや想像もできない世代の方々も
多いのではないでしょうか。
とすると、ステレオの大原則である、この場所
で聞いてください、というルールは守られずに
音楽を聞いていることになります。ですから
どこかバランスが崩れた、ノイジーな雰囲気を
漂わせた音楽(聞こえ方)になってしまい
がちです。
人工的に出来上がった指向性のある音についての
詳しい研究や、それが人体にどのような影響を
及ぼすかといった考察は未だなされていないの
ですが、(もしそういう研究や考察の存在を
ご存知の方はぜひお知らせください)指向性の
ある音と超指向性のある音を比較考察する実験
のレポートを見つけ出しました。特に人体に
及ぼす影響についても言及しているので、実に
素晴らしい、そしてわかりやすい研究レポート
になっています。
ただ、指向性のある音と超指向性のある音では
どちらがヒトにとって優しいか、有害か、という
設問に対してはちょっと想像していただくだけで
誰でも容易に回答することができると思います。
普通のスピーカーの音とビームのように、矢の
ようにやってくる音の波ではどちらが体に良いか?
おわかりいただけますね。
実際、超指向性の音を受け続けていると、ヒトの
心拍数は上がり、呼吸も浅く、回数が増え、
ストレスが増します。短い間の注意喚起に向いて
いるとこの研究員は控えめに報告していますが。
確かにそれ以外に心とからだにとって有効的な
活用法はあまり思いつきません。
指向性のある音と超指向性のある音との比較が
為されているのですが、指向性の少ない音と
指向性のある音との比較研究というものは
見つかりません。
ただ、これも容易に想像できると思うのですが、
自然な音~指向性の少ない音~指向性のある音~
超指向性のある音~人工的な音
と並べた時、私たち人間は、生物の種としてのヒト
はどちら側を選ぶのでしょうか。
もっと分かり易い例を挙げてみましょう。
私たちは見ているもの、聞いているものを
信じているようで、なかなか信じられず、
数字に表してくれないと信用できないといった
ところがあります。
だからでしょうか、人間はさまざまな計測機を
作り出し、数値に置き換えて安心したり、
信用したりしています。
音の大きさを表すデシベルという単位があります。
デシベル計という計器で測ると同じ100㏈(デシベル)
という大騒音が、まったく違ったように感じられる
音があります。
自然な音と人工的な音のちがいです。
工場の中でタービンが回っている音がおよそ100㏈。
とても耐えられないような騒音です。
早く逃げ出したくなる音ですが、一方自然な音の
100㏈は大きな滝の滝つぼの音です。
これもすごい音ですが、こちらはそのほとりで
お弁当を広げておにぎりを食べられるくらいです。
同じ100㏈という大騒音でも人工的な音と自然の音では
まるで違う反応をしてしまうのが人間です。
何が違うのか? それは自然自体が持つ本来の波動。
音の進み方が違うからこのようにまったく反対の
反応をしてしまうといわれています。
私たちはごく当たり前に「自然な音」を選びます。
そちらの方が気持ちよく、居心地がよく、リラックス
できるから。そして人は自然の一部でもあるから。
今日から、これからの人生、毎日の生活、あなたは
どちらの音に包まれて生きて行きたいですか?
今ここにあります、癒される自然な音、エムズシステム。
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