2026/1/11
音が整うと、呼吸が変わる
私たちは普段、自分がどのように呼吸しているかを、ほとんど意識していません。
息は、考えなくても続いていく。
それほど当たり前で、それでいて、生きるために最も根源的な営みです。
けれど、ふと立ち止まってみると、呼吸は決して一定ではないことに気づきます。
忙しいとき、緊張しているとき、騒がしい場所にいるとき。
呼吸は浅く、速くなり、身体は無意識のうちに力を入れています。
一方で、静かな場所で落ち着いて過ごしているとき、呼吸は自然と深くなり、息を吐く時間が長くなっていきます
呼吸は、私たちの意志よりも先に、環境に反応しているのです。
「空間で感じる音」の延長線上として、音が呼吸にどのような影響を与えているのかを見つめてみたいと思います。
音は、耳だけで受け取っているものではありません。
空気の振動として、皮膚や身体全体で感じ取っています。
音が鋭く、方向性が強いと、身体はそれを「刺激」として受け止めます。
すると、呼吸は浅くなり、いつでも動けるような状態を保とうとします。
これは、決して悪い反応ではありません。本来、身を守るために備わった自然な反応です。
しかし、この状態が長く続くと、身体は休まる時間を失ってしまいます。
逆に、音が空間にやわらかく広がり、特定の方向を主張しないとき、身体は「安全だ」と判断しやすくなります。
その結果、呼吸はゆっくりと深くなり、吐く息が長くなっていきます。
呼吸が変わると、身体の状態も変わります。
肩の力が抜け、内臓の動きが整い、思考のスピードも落ち着いていきます。
これは、何かを頑張って起こしている変化ではありません。
音によって、本来の状態に戻っていく変化です。
眠りが深くなるのも、日中の集中力が持続するのも、その土台には、呼吸があります。
呼吸が整えば、身体は過剰に緊張せず、必要なときにだけ力を使えるようになります。
音が整うとは、呼吸をコントロールすることではありません。呼吸が自然に整う環境を用意することです。
私たちが目指している音は、呼吸を意識させる音ではなく、呼吸を忘れさせてくれる音です。
気づけば、深く息をしている。
気づけば、落ち着いている。
その積み重ねが、一日の質を変え、暮らし全体の質を変えていきます。
音は、主張しなくても、人の内側に大きな影響を与えています。
空間が変わり、
眠りが変わり、
呼吸が変わる。
その先にあるのは、特別な変化ではなく、「無理のない日常」です。
私たちは、音がその土台を支えられる存在であると、これからも信じ、探求し続けていきます。
他にもお知らせがございます
よろしければご覧ください