◆ひとコト◆
ニジェール川(中央アフリカを横に、こういうとすぐに男の人たちは東西にだろ、と訂正したがるが、そう言っている本人だって、大体どの辺りを流れている川なのか知るわけもない。もっと言えば東から西に流れているのか、西から東に流れているのか知るわけもない。なぜならそれを突き止めに行なった探検なのだから)探検の末、高熱で、それとも土地の人々の攻撃に合ってか、その探検家は突然、その場で倒れ込んでしまいました。
目の前に小さな雑草が見え、熱にうなされながらその精妙な葉脈を見つめていると、思わず、笑みを浮かべ、彼はこう考えたそうです。
「この未開の地の、このような世界の片隅の土の上にもこれほど見事な造形物を作り給う創造主であれば、私をここで死なせることなどするわけはない、さあ、立ち上がって故国に帰るのだ」
未開なのはこの探検家の頭の中で、その土地にはすでにその土地を愛する人々が昔から生きてきたのだから未開ではない。
世界の片隅にいたのはこの探検家の方で、そこは中央アフリカと呼ばれているくらいアフリカの中央に位置しているので、決して片隅ではない。
それに、、、。
私は、ここで彼のお気楽な呟きに論評を加えるべきではないことを知っているつもりですが、それにしても探検家というものは幸せな種族である。いやあ死ぬほどに衰弱しているのだからお気楽な呟きなどと言ってはいけないと思いますが。
ただ西洋人はそこまで苦労してやっとここにも神がいた!と驚いているのだが、日本では神はどこにでもいる、日が当たっている場所ならば、ということを誰でも知っているわけです。まあ残念ながらそういう日本人もだんだん減ってきていると思いますが。
ちなみにその探検家は無事、祖国に帰るのだが、再び出発し、ニジェール川のほとりの土に帰ったそうです。