音や振動を捉えるのは聴覚という
センサーを司る「耳」が行って
いるわけですが、もちろん「耳」
だけではなく「全身」も同じように
音や振動を感じています。
微細な振動を感じ取るとき、私たちは
それを「聞いている」のではなく、
「察する」ことの方が多いようです。
気配を察知するという表現があります。
もっと微妙な空気の波長を感じて
欲しい時には
「状況を察してほしい」などと表現
します。まさしく空気を読んでね、
と言うことになります。
今、オーディオ業界で救世主のように
持て囃されているハイレゾとは「耳」
で聞こえる可聴範囲を超えた高周波の
領域も鳴らすこと（振動させること）に
よって『空気感』を表そうとしている
わけです。
空気感を表現したいのに、イヤフォーン
やヘッドフォーンで聞いていたのでは、
伝わり様がない矛盾をそっちのけにして
ハイレゾ、ハイレゾと声高に叫んで
いるようなことが多いように感じます。
しかも指向性の強い音に載せてハイレゾ
音源を楽しむには、今まで以上に聞く
べき場所、リスニングポジションで聞く
ことが要求されます。限定されたひとつ
の場所で『空気感』を感じるという
新しい矛盾を生じさせているわけです。
耳だけではなく、身体全体に響く自然な
音の聞こえ方がすると、、ヒトはより
リラックスします。心が落ち着き、ゆとりが
生まれると、初めて自分以外の人（他）の
ことを考えられるようになります。
そのような心の状態になったとき、私たち
の判断が大きな誤りを犯すとは思えません。
豊かな音色は豊かな心を育みます。
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