Products

オーディオベーシック  2004年春号 「CATCH UP」
    



最近、音楽/オーディオ関係の雑誌以外でも評判になっているスピーカーがあるというので取材してきた。うわさの主はエムズ・システム社のMS1001(¥126,000)。直径20cm、長さ40cmの円筒の両端にフルレンジ・ユニットをマウントした、左右一体型のスピーカーだ。ユニットは一見してフォステクスのFEシリーズと知れたので、型番をうかがって見ると、FE103Eとのこと。内容積は10リットル程度で、円筒形のバスレフダクトは振動板面積の約40%、共鳴周波数は80Hz内外だというから、教科書どおりの設計といえる。
 音質は、音離れが良くさわやかで、微小領域の解像度や抑揚の表現が実に巧みだ。ユニットが側面を向いていることから高域方向のレンジ感は限られているが、低域の再生限界もそこそこで、帯域バランスは良い。この音がFE103Eの資質からきているのは間違いのないところであろう。本機を聴いて驚く人が多いのはうなずける。それは最近フルレンジの魅力をストレートに表現したスピーカーが少ないからではないか。マニアにとっては物足りない部分もあるかもしれないが、間接音成分が部屋中にたっぷり響きわたるような心地よさは、安らぎを求める音楽ファンにはうってつけかもしれない。




本機は「波動スピーカー」と呼ばれているが、これはキャビ内部に張られたメッシュシートに、同社独自の「波動」を込めているからだとか。「これが高音質の決め手」だそうだが、残念ながら「波動」のあり/なしで聴き比べることはできなかった。
この一風変わったスピーカーの空気感を言葉で表現するのはなかなか難しい。興味をお持ちの方には、同社が昨年12月にオープンした銀座・試聴ルームにて一聴をおすすめする。落ち着いた雰囲気の室内で、ゆったりとMS1001の作り出す空間を堪能することができる。試聴は要予約(п@03−5542−7432) 
     オーディオベーシック編集部 P221



Copyright by M's system,2003 ;All Rights Reserved